パーティーシーズンです。
最近多い立食式のビュッフェスタイル。単に食事を立って食べるだけではなく、このスタイルならではの楽しみ方があります。
そこで今回は、ビュッフェスタイルパーティーのマナーを、関西作法会会長の田野直美さんに聞きました。
ビュッフェの楽しみは会話
このパーティーの魅力は、多くの人と会話を楽しむこと、初対面の人にも遠慮せずに話しかけ、ビジネスなら、積極的に名刺交換を。
同じテーブルに仲間と陣取り、料理を食べ続けるのはタブーです。
服装は、特に指定されない限り男性はビジネススーツ、女性はやわらかい素材のワンピースのフォーマルドレスがいいでしょう。
取り皿の食べ残しは不作法
料理はフルコースの順番に取って食べます。
メインテーブル上に時計回りに並んでいますから、オードブル、スープ、魚料理、肉料理、デザートの順に取ります。
原則として主賓婦人、年長の女性から。1度に取る量は3~4種くらいです。
料理を取ったらすぐメインテーブルから離れます。
このテーブルに自分の皿やグラスなど汚れ物を置かないように。
よく同じテーブルを囲む人の分まで料理を大量に取ってくる人がいますが、たいていは残っています。
食べ残しは何よりも不作法にあたります。自分の皿に食べきれる量だけを取り、全部食べます。
皿とグラスは持って移動
食べかけの皿や、飲みかけのグラスをテーブルに置いたまま、ほかの場所へ移動する人がいます。
誰のか分からない皿やグラスでテーブルがいっぱいになっているのは見苦しいもの。水滴がこぼれないように紙ナプキンで包んだグラスと料理の皿、フォークを片手で持ち、人から人へと移動。食べ終わった皿はテーブルの端に置き、次の料理を取るときは新しい皿を使います。
歩きながら食べるのはマナー違反。
目に映るものを会話のきっかけに
初対面の人と何をはなせばいいのか困るという人がいます。
同じ会場にいれば、料理など、目に映るものが共通の話題になります。
また「木戸に立てかけし衣食住」を目安にしてみてください。木=季節や気候、戸=道楽(遊び)や道路事情、に=ニュース、立=旅、て=天候、か=家庭や家族(プライバシーに配慮して)、け=健康、し=趣味や仕事、そして衣食住です。宗教や政治に関する話題は避けます。
会場の隅にあるイスに、食べ過ぎや飲みすぎで座り込むことのないように。特にビジネスの場合は、座らないのが賢明です。
イスは人数分はありませんから、年配者や女性に譲りましょう。
辞去のあいさつは雰囲気次第
1度は主催者のそばへ行き、会話を。途中で帰るのも失礼にはなりません。
主催者が会話中であれば、無理に割って入って辞去のあいさつをする必要はありません。
会場の雰囲気に水を差さないよう心がけることが大切です。後日、お礼状を出せばいいでしょう。
誕生日や創業記念などご祝儀が必要なら、金額は食事費用分。ホテルが会場なら1万円くらいです。
アサヒファミリー 2002年12月13日 掲載