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4.誰にでも訪れる死 あなたはどうする??  — 今どきの「自由葬」の事情とマナー

近年、葬儀のスタイルも変化しつつあります。

 

葬儀社におまかせの一方で、喪主や家族が、故人の遺志や自分たちの思いを反映し、故人の面影をしのぼうという葬儀「自由葬」が増えています。

 

でも、実際には葬儀の準備期間は短く、心のこもった式にするのは、生前から、家族間で、人生の最後に対する思いを伝え、聞く機会が必要です。

 

また、何でも思いの通りにすればいいというものでもないようです。「今どきの葬儀事情とマナー」について、関西作法会会長の田野直美さんに聞きました。

 

故人の個性生かす葬儀

 

私の亡父の葬儀を準備する際、葬儀社から3~4種類の祭壇とそれぞれの価格が入ったパンフレットを提示されました。

 

その中から、世間相場のランクを選ぶのが、一般的な葬儀の準備でしょう。

 

ところが、最近は喪主が提示した予算額に合わせて、故人の遺志や家族の思いを反映した祭壇や式進行をする新しい葬儀を請け負う葬儀社も出てきています。

 

私は、葬儀はこの世に生きたあかしとして、自分らしい式にしたいと考えています。

 

明朗会計である点でもこうした式には大賛成です。

 

たとえば、大好きなお酒をアテに、家族、親族、友人たちや知人が集まって、飲みながら私を話題に、思い出を語り合えるような楽しい会にしてもらいたいと思っています。

 

周囲の理解を得て

 

ただ、いくら故人らしい式にしたいからといって、家族や参列者への配慮が欠けていては、いい式にはなりません。

 

供花を故人が好きな真っ赤なバラにしたり、よく使っていた書斎やアトリエを式場にしたり、故人をしのべるのはいいとしても家族や親族など周囲の理解を得ておくことが大切です。

 

特に無宗教葬でない限り、葬儀は宗教家がリードするものです。どんな花やどんな式にするか、必ず相談しておきましょう。

 

夫婦で宗教が違う場合も、宗教家のアドバイスを受け、親族にも伝えておくといいでしょう。

 

クリスチャンの妻の葬儀をキリスト教式であげたものの、仏式の家で仏壇に手を合わせて育った夫には、その後のまつり方にしっくりこないという例もよくあります。

 

墓の問題も出てくるでしょう。

 

費用は納得するまで相談を

 

葬儀費の面では、葬儀社のスタッフとしっかり段取りをしておくことが大切です。

 

特に初めて葬儀を出す場合、宗教家との付き合いもなく、葬儀社に一切を任せる人も多いでしょう。

 

良心的な葬儀社によると、葬儀の基本的費用は、祭壇、式場、棺(ひつぎ)、霊柩車などを含め、約50万円です。さらに仏教の場合、お寺さんへのお礼が別途必要になってきます。

 

大体、20万円~でしょうか。あとの費用は、宗教などによって異なってきます。相場を知って、予算の範囲内で最善を尽くしてもらえるよう、話し合いましょう。

 

日頃から葬儀の話し合いを

 

どんな葬儀にせよ、自家の宗教宗派や家紋を知っておくこと。自分の生に最後まで責任を持つという意味でも、夫婦や家族でお互いの葬儀について話す機会を持ちましょう。

 

さっきも書いた通り、私は理想の葬儀を家族や知人にはざっくばらんに話していますが、老いた母に「どんな葬儀がいい?」とは聞けません。

 

日々の中で自然に話す時があればいいと考えています。誰にでも死は訪れます。家人でも友人でも、互いにしのび、しのばれる有意義なつき合いをしておくことが大切。

 

まさかのために、葬儀保険のことも調べておきましょう。

アサヒファミリー 2002年8月23日 掲載











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