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今回は病院に入院する人を見舞う際のマナー。
意外とよくあるタブーは見舞金の包み方。
お金はのし袋に包んでおけば無難だと考えていませんか。
患者や家族に都合を問い合わせず、自分の都合でお見舞いに訪れる人も結構います。
「元気になって」の思いを気持ちよく伝えるための心がけを、関西作法会会長の田野直美さんに聞きました。
病状やスケジュールに配慮を
病院を訪ねる際は、病状や治療スケジュールに配慮し、家族に問い合わせてからにしましょう。
入院や手術直後、午前中は治療があるので避けます。
男性は不意に女性を見舞うことは控えましょう。ノーメイクの素顔を見られるのは恥ずかしいものです。
見舞い品を家族に届けたり、退院・全快祝いにするのがいいでしょう。
思いやりある会話を
病状については「調子はいかがですか?」くらいにとどめ、病気のせんさくはしないこと。そして素人療法を軽々しく口にしないように。
親切心や噂で聞いた治療法や薬を教える人がいますが、わらをもすがる思いの病人に、疑念や迷いを生み、治療に専念できません。
また、病人がうらやましくなったり、不安になるような話題は極力しないこと。
ふだんなら楽しく聞ける友人との旅行や職場の話題でも、病気の時は自分だけ取り残されたようでさみしく感じます。
「君の仕事はやっておくから安心して休んで」と言われたら、職場から自分の席はなくなるかも…、と不安になります。
遊びの話題なら「次はいっしょに行こうね」、職場の話題なら「退院するまでフォローしておくよ」と元気づける一言を。
のし袋のタブー
近ごろ、お見舞いは品物よりも現金が主流ですが、問題はお金の包み方。
水引きと、のしが印刷されたのし袋を使う人がいますが、水引きは蝶結びの部分に「重ねる」、のしには「引き伸ばす」という意味があり、弔事や病気見舞いには不向きです。「御見舞」と入った袋を使いましょう。相場はご近所関係なら2~3000円、お世話になっている人には1万円。その間をとって5000円が主流のようです。
ビジネスの場合は3~5万円が相場です。
品物を贈るなら、鉢植えは「病気が根付く」と言って嫌われます。
切り花も香りのきついものは避けましょう。
大部屋では飾る場所に困り、行き場のない花がナースセンターにたくさん飾られている場合もよくあります。
親しい人ならパジャマなど入院必需品がいいでしょう。
食べ物は病状に配慮を。何でも食べられる症状の人は、きっと病院食に飽きているでしょうから、好きな食べ物を差し入れてあげると、喜ばれます。
アサヒファミリー 2003年5月30日 掲載