今回は、身だしなみ。
人は見かけだけでは判断できないとはいえ、身だしなみは第一印象を決める重要な要素です。
新社会人などこの春から仕事を始める人向けに、職場での身だしなみ心得と、間近な入学式での装いについて、関西作法会会長の田野直美さんに聞きました。
服装には自分の個性を押し出すおしゃれと、周囲を配慮した身だしなみがあります。
職場や営業先などプライベート以外の場面では後者。第一印象は5秒で決まります。あなたの身だしなみが与える印象の後ろに、あなたが所属する会社の印象があることを忘れないで。
おしゃれより仕事で個性を出そう
まず職場での身だしなみ。
清潔感のある身だしなみを心がけましょう。女性の場合はおしゃれが過ぎないように。長い髪は束ね、アクセサリー類は控えます。イヤリングは電話の際に受話器にあたるなど邪魔です。化粧は薄め、アイシャドーも控えめに。赤いマニキュアやにおいのきつい香水は、色や香の印象が強く、勝手な先入観を持たれるだけです。
職場では、仕事であなたらしさをアピールすべきです。おしゃれは仕事の行き帰りにしましょう。
服装は心の鏡
制服の人は、ボタン落ちはないですか。アイロンはあたっていますか。制服は何着も支給されるわけではないので、つい洗濯しそびれたまま何日も着ている人が多いものです。気をつけましょう。 スカート丈は適当ですか。ストッキングの色は服と釣り合いがとれていますか?パンツスタイルの人、足を大きく開いて座っていませんか。「身を包むものは心も包む」と言います。
着物を着るとしとやかな気分になるように、パンツだと気分が活発になり、つい行儀が悪くなる場合もあります。
靴はちゃんと磨いて、ヒールの高さは5センチくらいがいいでしょう。
逆に男性は身だしなみを気にしない人が多いようです。ちゃんと洗髪して毎日ひげをそる。肩のフケは結構目立ちますよ。スーツは落ち着いた色や柄で。ネクタイはスーツに合わせます。
このVゾーンがおしゃれどころ。カラーシャツや柄つきのネクタイで楽しむのはいいですが、会社の雰囲気に合わせましょう。
スラックスの折り目はまっすぐに。靴はフォーマルな黒か茶色が無難です。
入学式には無地のワンピースで
入学式にはシルクやウールのジョーゼットのワンピースで。
無地が正式。原色や柄物は格が下がります。上下がはなれたスーツは、あくまでもビジネス着。着るなら柔らかい素材のものか、制服を。靴はパンプス。流行のミュールや足首にバンドのついた靴は略式です。スプリングニットが店頭に並ぶ時期ですが、どんなに高価でもニットは普段着です。
お父さんはダークスーツで。ベージュ系など薄い色は略式です。子どもにもワンピースやブレザーを着せて、普段着は避けるべきです。こうした機会にTPOを教えましょう。
アサヒファミリー 2003年4月4日 掲載