春号から始まったコラムも、今回で最終回になりました。
挨拶、クッション言葉、敬意の伝わる動作・所作とお伝えしてきました。
今回は、行動と言葉についてお伝えしますね。 「行動に言葉を、言葉に行動を」という言葉があります。どのようなことかというと、何か行動する時には黙って行うのではなく言葉を添える、また、言葉だけでなく行動するということです。
まず、「行動に言葉を」ですが、例えば、人の前を通る際に、「前を失礼いたします」と声をかけます。
次に「言葉に行動を」とは、その場にふさわしい態度、いわゆる会釈を添え、できるだけ相手の視界を妨げないように少し姿勢を低くして通るということです。
このようにすると、相乗効果でより相手に敬意や配慮を伝えることができます。
まず、普段、なにげなく行っている行動に言葉を添えることができているのかを意識してみましょう。
咳をしている人にのど飴を渡す、疲れて帰宅した家族にお茶を入れる、雨に濡れている人に傘をさしかける、何かの動作の補助をする、様々なシーンが考えられます。
その時に行動だけでなく、「この飴、喉に良いですよ」「お疲れ様」「よろしければ、ご一緒にどうぞ」「お手伝いしますね」などの言葉を添えることができていますか?
自分自身の行動のひとつひとつに、言葉を添えていくのです。そのようにしていくと「行動に言葉を」が実行できるようになります。
そして、「言葉に行動を」は、言葉と同時に行動するために、いつも身軽に動けるように意識すると実行できるようになります。
言葉だけの配慮は、口先だけと相手にはとられることもありますね。 例えば、誰かがお茶をこぼしてしまったときに「大丈夫ですか?」と声をかけるだけではなく、すぐにふきんやタオルを手にして、こぼれたお茶を拭くことができていますか? 何かが起こったときに言葉だけでなく行動が伴ったのか、また、何か言葉を発するときにその言葉に合った行動ができたのかを意識してみましょう。
そして、「行動に言葉を、言葉に行動を」は、一朝一夕には身につきません。日々の努力でできるようになります。常に意識して実行していきましょう。
ほっかいどう福祉だより「しあわせ」 2014.Winter Vol.101 掲載