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今年は開業20周年を迎える帝国ホテル大阪様
養成講座第24期生 テーブルマナー講習会 2015年11月24日(夜)
毎年開催される関西作法会主催、マナー講師養成講座の 授業の一環であるテーブルマナー講習会が、 今回は120余年の歴史ある帝国ホテルのうち、 今年開業20周年を迎える帝国ホテル大阪様にて開催されました。
テーブルマナー講習会の意義
このテーブルマナー講習会は
1.そのホテル様独自のフルコース料理のマナーを学ぶ
2.通常のレストランでは経験できない(食べ方の)難しいお料理のいただき方を学ぶ
3.美しい所作を身につける
4. 机上の勉強を現場で生かす
等を目的とし、大阪界隈のホテルで毎年行っています。
今回の参加者22名、全員の顔合わせの後、会長のご挨拶でスタート。
関西作法会 会長 田野直美
当日生出演にてオンエアされた関西テレビ『ゆうがたLIVEワンダー』 でのひとコマを紹介くださり、和やかな雰囲気でスタートしました。
続いて、宴会サービスマネ―ジャーの石川様によるご挨拶、 いよいよテーブルマナーのご講義のスタートです。
テーブルマナー講習会内容 少しだけ
テーブルマナーの歴史から始まり、国際儀礼であるプロトコールや、 エレガントでスマートなワインの購入の仕方に至るまで、 時折ユーモアやQ&Aを交えながら、美味しいお食事と共に楽しい時間が流れていきます。
帝国ホテル様のエピソードとしては、日本で初めてバイキングという食事スタイルを取り入れたことや、 マリリン・モンローのエピソードで知られている「シャネルの5番」のセリフは、 新婚旅行で帝国ホテルに宿泊した際の記者会見だったとのことなど。
他には、バイキングは和製英語で、正式には英語でビュッフェということや、 コックの帽子の高さは三種類あり、一番高い料理長の帽子は35cm~40cmあって、 なぜそんなに高くしたかの理由が、 当時、部下より背が低かった料理長が、威厳を保つために高くしたことがきっかけなのだとか。
その他にもいろいろと、「へぇ~」「初めて知った~」「そういうことか」というお話が次々に・・・
ここで、当日ご参加いただけなかった皆さんに少しだけご紹介しましょう。
◇プロトコールの基本原則について
異文化の尊重、序列の重要性、右方上位、返礼、レディファースト(女性上位の意味ではない)
◇座り方について
右方上位により椅子は左側から。
「下から入りますよ」という意味。
昔は右側からだと刀が当たるとの説も。
椅子の下はテーブルクロスなどで見えないからと足元など油断しがちだけれど、 案外目につくもの、気品よく足はきちんと揃えてお行儀よくすること。
◇メニューについて
*例えば、カリフラワーのクリームスープ デュ・バリ夫人風
などの 『○○風』の○○には、人の名前やは地名などが入る。
*筒切りにした鯖のポシェ
ヴァンブランソース ポシェとは、茹でているという意味。
◇ナプキンについて
ナプキンを取るタイミングは、ホストが取ってから、 もしくはお料理が運ばれてきたらナプキンを取るが、 それよりもあまりに早いタイミングで取ると「早く食べて早く帰りたい」とういう意味になる。
和服の場合は帯にひし形になるようにはさみ、一番下の三角部分で口元をぬぐい、 着物側と反対に折り曲げていき、汚れが気になる場合は途中で取りかえてもらっても良い。
◇ナイフとフォークについて
これまで『ハの字に置く』と説明していた、食事中でのナイフとフォークの置き方について、 『時計の4:40』、 食べ終わりは、『4:20』に揃えるとの説明に「なるほど」。
◇パンについて
サーブされて取るのは1つ、多くても2つまで。
一口大にちぎってバターを塗っていただくが、 一口大とは口の大きさに合わせるのではなく、口に含んでお話しのできる大きさのこと。
和服(特に振袖など)で袖が邪魔になる場合は、奥にあるパン皿を左手前に置いてもよいが、 お隣の方に「失礼いたします」と一言かけるのを忘れずに。
◇お料理にたいして
塩コショウなど欲しい場合はお願いするのは良いが、まずはひと口いただいてからにする。
◇スープについて
ミネストローネなど具の多いスープは、まず具を食べてからお汁をいただくと、 最後に具が残って食べ辛い、ということがない。
両手に持ち手があるカップは片手でもちあげてもよい。 (その際もう一方の手を添えるようにするとエレガント)
◇ワインについて
テイスティング=テストと勘違いされている方が多いとのこと。
テイスティングとは澱(オリ)や酸化などを確かめる品質のチェックであり、テ ストではないので味の好みなどで変更するはできない。
などなど、他にも書ききれないくらい盛りだくさんの内容でした。
当日のMENU
さて、私どものためにご用意くださったスペシャルメニューは以下の通りです。
海老のマリネ カラスミの風味 野菜のジュレ・タブナードと一緒に
カリフラワーのクリームスープ デュ・バリー夫人風
筒切りにした鯖のボシェ ヴァンブランソース
じっくり焼いた牛フィレ肉のローストと温野菜 ボルドー産赤ワインのソース
洋梨とキウイ
コーヒー
写真なし
授業の一環ということで、毎回あえて食べ辛いものをコース内容に入れていただくのですが、 今回の骨付きの魚料理や、まるごとフルーツ(キウイと洋ナシ)には皆さん悪戦していたようです。
それでもなんとか、美しくエレガントに(きっと?)
ナイフとフォークを器用に扱いながら(たぶん?)
最後まで美味しくいただきました。
テーブルマナーについてはある程度学んでいる私たちですが、 あらためて気づくことやわかりやすい表現方法や、 初めて聞くお話などもあって、とても学びの多い時間となりました。
美味しいフルコースをいただきながら、マナーの奥深さをあらためて知ることができました。
石川様、宴会サービスの皆さま、大変お世話になりありがとうございました。
担当講師の皆さんも、交渉・お世話、お疲れ様でした。
(津田 佳代 記)
【講師養成講座24期生にご感想をお聞きしました】
講師養成講座24期生受講生と講師
◆楽しい雰囲気のなか、テーブルマナー講習を受けられ充実した時間を過ごせました。
ありがとうございました。
◆一流ホテルでのテーブルマナー講座ということで、当日に着て行く服や身だしなみ、集合時間にはきちんと席につけるように余裕を持っての行動、等々。いつもにもまして身の引き締まる思いでした。
一番印象に残ったメニューが最後のデザートでした。
キウイ・洋なしなどの果物をそのまま、ナイフとフォークで切って食べるということはめったにない経験だったので、今後家族や友人にも広めていきたいと思いました。
◆昔ながらの西洋料理をいただく嬉しさとお魚料理やフルーツに四苦八苦しているうちに、あっという間に時間が過ぎましたが、楽しみながら学ばせていただきました。
日頃、このような場合はどうすれば良いのかと悩んでいた事も全て教えていただき、知ることで自信につながった気がいたします。
”知っていても身につくまで練習が必要”と授業で習いましたので、今後は西洋料理を楽しむ機会を多くつくりたいと思います。
ありがとうございました。
◆正式な席では、いつもこれで良いのかと不安な気持ちで人を見て、まねながらいただいておりました。
この講座では知らない事は、決して恥ずかしいことではなく、だからこそ習いに来ているので、気軽に質問ができるところが良かったです。
◆大変勉強になり、私にとって実りのある時間となりました。
普段は何気なく食べていたコース料理、一つ一つの動作には理由があること、一緒に過ごす相手がいるからこそのマナーという事を学びました。
最後の最後に出てきたラフランスとキウイには悪戦苦闘しましたが、どんな料理が出てきても、さりげなく美しく食べられることができれば素敵だなと思いました。
テーブルマナー講座で学んだ事を活かして、自分を磨いていきたいと思います。
参加者全員で記念撮影