平成29年7月22日(土)10時~
京都にある、香老舗 薫玉堂 様にて香道体験をしました。
茶道、華道、と並ぶ日本三大芸道のひとつである「香道」は、 禅の精神を大切にし、礼儀作法・立居振舞など約束事の多い世界であり、 上達するにつれ古典文学や書道の要素も求められます。
今回は、そのような香道の一端を体験し、 今後の講師としての教養のひとつとしていただくべく、 企画した勉強会でした。
通常、薫玉堂様にて行われている体験教室を関西作法会で貸切りました。
会場の都合上参加できるのが12名まででしたので 先着順受付にて申込みの田野会長含む、研究科生12名での体験となりました。
当日はすこぶる良い天気で、日差しが強く、気温も高く感じましたが、 薫玉堂様へ入ると、ふっとお香の香りが漂い、暑さも忘れてしまいました。
さすが香老舗というだけあり、たくさんの種類のお香やお線香、お焼香が売っていて、 関連のお道具も豊富にそろっているようで、見ているだけで興味深く、楽しい店内でした。
時間になり、まずは香の歴史と香道について座学にて学びました。
平安時代、お風呂に入るのは年2回くらい、 だから体臭を良い香りでカバーしていた。
それは海外も同じで、良い香りの発展が ヨーロッパでは香水、日本ではお香の文化になった というお話が面白かったです。
その後、これから行う「三種香」の説明をしていただきました。
「三種香」とは、三種類の香木からごく少量の香木をそれぞれ三つ切り取って、 九個の香の包みにし、その九個の香包みをまぜ合わせた中から三つの包みを取り出して、 その香を焚いて香りを聞き分ける組香の一種だそうです。
ルールも説明いただいて、いざ、和室へ移動し体験です。
香道では、香を一定の作法に則って香を聞くことを「聞香」(もんこう)といいます。
香炉の持ち方や香りの聞き方など、 実際に練習したあと、早速三種香が始まりました。
まず、香元と呼ばれる方が九つの包みから三つの包みを選び、 香炉で順にお香を焚きます。
焚いたお香が順番に回ってきて、 その香りと次の香りとその次の香りが同じなのか違うのかを当てるのです。
香木の種類は3種類。
その3種類からそれぞれ3つの包みをつくり、それをシャッフルして3つを選ぶので、 その3つが全部同じ・全部違う・2種類だけなど、答えは6種類あります。
その6種類それぞれに名前がついていてそれがまた雅。
例えば、3つとも違う香りであれば「緑樹の林」、3つとも同じなら「尾花の露」などです。 3つの香を聞き分けた後、記紙と呼ばれるいわゆる解答用紙に答えと名前を書きます。
なんと、個々に硯で墨をすり、筆で手のひら上の小さな紙に答えを書きました。
その後、記紙は回収され、答えは一覧に書き上げられ、成績発表されます。
今回の答えは「孤峯の雪」(1回目3回目が同じで2回目が違う香り)でした。
正解者は12名中2名。
私は外してしまいました。
残念です。
その後、お抹茶とお菓子に加え、匂い袋のお土産もいただき、 記念撮影をして薫玉堂さまを後にしました。
研究科勉強会は研究科生が希望する内容を取り上げて学んで参ります。
皆様のご意見ご要望お待ちいたしております。 (研究科委員会 記)