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しきたり歳時記

アサヒファミリー 2002年5月31日 掲載

2.便利で簡単 — でも、相手を思う心忘れずに

 電子メール(E-mail)の利用者が増えています。切手を貼ったり、ポストに投函する手間がなく、すぐにメッセージをやりとりでき、気楽に文章が打ち込めるなど、簡単で便利です。でも手紙は手紙。あなたの送るメールは、相手を不快にさせていないでしょうか?メールマナーについて関西作法会会長の田野直美さんに聞きました。

手紙と会話の中間〝行〟

 あらゆる作法で大切なのは、書体になぞらえた「真・行・草」の使い分け。メールは手紙と会話の中間。真書ほど堅くなく、草書ほど崩さない「行」にあたります。手紙のように前文・主文・末文・後付や堅苦しい用語は不要。一目見て内容がわかることが大切です。

 
内容伝える件名と最後の署名必ず

 まさに一目で内容を伝えるのが件名。私も毎日数十通のメールをいただきます。この情報があれば、今すぐ読むべきかどうかを判別しやすく、文頭に相手の会社名や個人名を入れ、末尾には自分の社名や個人名、アドレス、電話番号などの「署名」を必ず入れましょう。初めてなら「はじめまして、突然のメールで失礼します」などのあいさつと自己紹介を。これらがないと、文末の署名を見るまで誰からのメッセージかわかりません。

1行は全角35文字までに

 読みやすさ、受信の素早さも重要。改行がない画面いっぱいの文章は読む気になれません。1行を全角で30~35字程度、5~6行を1段落にまとめ、段落間は1行空けるといいでしょう。1メガ以上の添付書類や、文字や絵が動くHTMLメールは受信に時間がかかり、人によっては迷惑です。

返事は早く 送る前に読み返す

 返事はできるだけ早く。そのためにも1日1回は受信トレイをチェックすること。メールの利用時間帯は個人によって違うので、返事を急ぐ場合は、電話かFAXも使いましょう。受信画面を利用できる返信機能は便利ですが、必ず受信した文章を消してから送ること。自分の送った文章が残ったままの返信を受けると、ぞんざいに扱われた気分がして不快な人もいます。届いた文章の間に返信文を入れるのも、質問や疑問に答える必要がない場合は避けましょう。
 送る前に相手の立場にたって必ず読み返すこと。手紙より気楽に書ける分、失礼な表現になっている場合があります。親しみとなれなれしさを混同しないように。年賀状などのメール化も進んでいますが、慶弔文をメールで送るのは失礼です。便利な部分は大いに利用しても、そこに相手を思う心を忘れないようにしたいものですね。