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しきたり歳時記

アサヒファミリー 2003年9月5日 掲載

15.あなたはそこに座って大丈夫? — 訪問先で困らない席次の基本

 人の家を訪ねたとき、どこに座ればいいか迷ったり、「ここでいいのかな?」と不安な思いで座ったりすること、ありませんか。恩師や家族と車や電車に乗るときはどうですか?今回は、和室・応接間と乗り物での席次について、関西作法会会長の田野直美さんに聞きました。

わからないときは聞く

 和室でも洋間でも、出入り口から一番遠い所が上座。出入り口近くが下座です。和室なら床の間のある方が上座。仏壇と床の間がある場合は床の間側が上座になります。洋間の場合は飾り棚や暖炉がある方が上座になります。長いすと1人用のひじ掛けいすがある場合は、長いすが上座、ひじ掛けいすは下座です。
 本来は迎える側が案内して席をすすめるべきですが、案内がない場合は下座に座るのが無難です。目上を訪ねる場合は、上座をすすめられても辞退して下座に座る心がけも必要です。ただ、近ごろの住宅の間取りは様々なので、分からないときは聞きましょう。決してマナー違反にはなりません。

 
快適に過ごせる席が上座

 迎える場合も、基本の席次を頭に入れて席をすすめます。ただ、いずれも絶対ではありません。床の間の掛け軸や飾りを眺めて過ごしたいという人もいますし、窓からの眺めがいい場合は、たとえそこが原則的には下座でも、やはり絶景を見ながら歓談できるのが一番いい席。快適に過ごしてもらえる席をすすめるおもてなしの心も大切です。

機転を利かせてすすめる

 電車や飛行機では進行方向の窓際が上座。3人がけの場合は不便な真ん中が下座。タクシーは運転席後ろの後部座席が上座。
 ただし、この場合も臨機応変に。たとえばトイレが近い人に窓際の席は気の毒。かっ幅のいい人は、通路側の方がゆったり座れます。私は仕事柄、着物でタクシーに乗ることが多いのですが、後部座席の奥では出入りが不自由。私を立てて奥をすすめていただく方には事情を説明して辞退し、助手席の後ろ側に座らせていただきます。乗るときに機転を利かせて「こちらのお席の方がよろしいですか?」と聞いてもらえると、本当にありがたいです。
 自家用車でも基本は同じ。訪問先から車で迎えに来てもらう場合、こちらが1人の時は、助手席に座ります。ただ運転手が異性の場合、周囲に誤解を与えることもあるので、私は「こちらでよろしいですか?」とおうかがいしています。