令和元年11月3日(日)
姫路 書写山円教寺 寿量院

今回の研究科勉強会では、マナー講師養成講座で学んだ、現在の日本料理の原形ともいわれる供応膳(おもてなしの料理)の本膳料理を実際に食する体験を企画しました。

日本料理といえば、懐石料理や会席料理などを思い浮かべる方が多いと思います。
というのも懐石料理も会席料理も現在、お値段を出せば普通に食べることができます。

が、本格的な本膳料理を気軽に食せる場所は少ないのです。

今回訪れた書写山円教寺では、お寺に伝わっていた精進本膳料理を再現して食べさせてくれます。

書写山のもみじ

実は2008年にも研究科勉強会で訪れています。
が、今回初めてという方が大半の参加者10名、はりきって学びに行ってまいりました。
ちなみに私も初めてです。

まずは西宮から少し遠い姫路駅で集合し、バスにて35分かけロープウェイ乗場まで移動。
ロープウェイに4分乗ってやっと書写山の入山入り口に到着です。

そこからは徒歩で食事場所の寿量院を目指します。

今年は残暑が長引いたせいか、紅葉を期待していたのですが、まだ早かったようで残念でした。
が、途中、紅葉しているところもありました!

書写山の紅葉

どんどん登ります。

やっと仁王門に到着。

書写山仁王門

そして寿量院にていざ、実食!

寿量院本膳料理

本膳、二の膳、三の膳とお鍋まで付いています!
器は書写塗りと呼ばれる幻の朱塗りの漆器で提供されているとのこと。
品数が多いです。

書写山本膳料理

こちらの本膳料理はお寺にいらっしゃっていた貴人の方々にお出ししていた供応膳ということです。
お寺ですので、魚肉を使わない精進料理。

まずはみかんのジュースで乾杯。
これは本来はお酒なのですが、今は車の運転をなさるかたもいらっしゃるということで、ジュースにしているそうです。

そのあとは、食べながら、食材の解明。

お刺し身もどきはこんにゃく。
汁ものに入っていたのは色合いがこんにゃくかと見せかけて麩だったり。
山の幸をふんだんに使った素朴な味わいは美味です。

兵庫2016特別版のミシュランで星を獲得しているというのもうなずけます。

お料理は最初に膳に載っているものだけだと思っていたら、後からも次々出てきます。

うなぎもどき。
山芋の桑焼き

うなぎもどきは山芋の桑焼きと言って出てきました。
見た目も味もうなぎの蒲焼そっくり。すごいです。

がんもどき。
がんもどき

がんもどきも、鴨肉の代わりということで、外側はカリッと揚げてあり、中は少し固めで肉っぽい感じを演出(?)で美味しかったです。

お坊さんは肉を食べられませんが、やはり肉を食べたい。
そういう気持ちを慰めるために工夫された料理。
人間の欲ってすごいですね。

お食事の途中で料理長がご挨拶にいらっしゃいました。

お寺の歴史、本膳料理のお話など、途中笑いも誘いながらの小気味良い淡々トークが楽しかったです。

印象に残ったのは、食べ方の順についてです。

これはこちら側からの質問に答えてくださったのですが、食べ方の順としては私どもがマナー講師養成講座で学んだ日本料理の食べ方の順番と同じでした。

が、その後に、
「ただ、このお料理はお寺にいらっしゃった貴人様にお出ししていた供応膳(おもてなしの料理)ですので、貴人様にその食べ方の順は違いますとは言えませんから、お好きなように召し上がっていただいています。」とおっしゃいました。

なるほど~。

もうひとつは、ご飯の盛り方です。
通常ご飯はお椀にふんわり盛りますが、こちらのご飯はかっちり盛っています。
この盛り方は盛糟(もっそう)飯と言うそうです。

どうしてこんな風に盛るのかというと、普通に盛ると、あっちの方が沢山盛ってあるとか、こっちが少ないとか気持ちが乱れてしまうので、一律にすることによって平穏を保つ知恵なんだそう。

これも、なるほど~って思いました。
食べ物の恨みは恐ろしいですから。

食事の最後はお蕎麦も出ました。
これは最後なので少しかと思いきや、中々のボリューム。
でも蕎麦の味がしっかりとしてとっても美味しかったです。

その後は縁側に移動してお抹茶とお菓子でフィニュッシュ。
まあ、甘いものは別腹ということで、こちらも美味しくいただきました。

寿量院にて抹茶とお菓子

今回、お食事させていただいたのは、国指定重要文化財である「壽量院」。
重要文化財のなかで食事できるのもこちらならではの貴重な体験でした。

料理長様はじめ、寿量院の皆さま、勉強になり、またとても美味しかったです。
お世話になり、ありがとうございました。

研究科委員会では、講座を行うにあたっての役立つ知識、マナー講師として知っておいて損しない教養としての知識などの中から、研究科所属の先生方が望むものを勉強会として企画して参ります。

ご意見ご希望はどんどんお寄せくださいませ。
(研究科委員会)

参加者の感想です。

◆楽しい一時をありがとうございました。
先生方に久しぶりでお目にかかり、会席を堪能し、山相を散策、木々の清々しい気をいただき、リフレッシュの一日となりました。
感謝感謝。

書写山中腰にて
照葉背に 米粒ほどの 姫路城

◆とても楽しく、美味しく、厳かな雰囲気のなかで御朱印までもらえ、充実の一日でした。

◆本膳料理は美しく、華美ではないけれども豪華で、目で見て楽しめ、お腹も一杯になりました。
その後の散策もゆったりとした時間の中で過ごす事ができました。
一人では体験することのできない良い時間を過ごさせていただきました。

◆11年前に一度訪れたことのある数少ない経験者です。
が、実は、本膳料理のことは、縁側で薄茶をいただいたこと以外ほとんどの記憶がなく、、、楽しみに参加しました。

歴史ある建物の、立派なお座敷に、朱塗りの本膳料理がズラリと並ぶ風情~、あー思い出しました!(苦笑)
本膳料理ということで、正式ないただき方(先に器を取り→お箸。置くときは先にお箸→器)を出来る限り繰り返し、自らの所作を研鑽しました。

また、朱塗りは輪島塗りと書写塗りであること、四角いお膳は角のない「角切り」の折敷が正式であること、ご飯の「盛槽盛り」、料理の「杉盛り」等、新たに学びました。

量が多く食べ切れなかったのが申し訳なかったですが、記憶にしっかり残っていた、縁側でのお抹茶も皆で楽しめ、素敵なひとときでした。
研究科委員の皆さん、ありがとうございました。

本膳料理を食すin書写山